すばらしきこのせかい
「世界の裏側を覗いてみたくないかい?」
声のした方を振り返ると20代後半くらいだろうか、長身痩躯で白い短髪の青年が私の後ろに立っていた。口元に笑みを浮かべどことなく人間離れした雰囲気を持つ人だった。
思えばこれが私の人生の最期だったんだ。もう生きるのも疲れていた……なにも怖いものなんて無いんだから死ぬ前にみてやろうと思った。
「みて、みたい……」
そういうと青年はにやっと笑い近づいてきた。
手を伸ばしてきたから取ろうと思い、私も手を伸ばした……けれど直後ふわっと体が浮いたかとおもうと青年の姿が消え次の瞬間空が見えた。
憎みたくなるくらい真っ青な空だった……突き落とされたと認知するまでにえらく時間がかかった気がする。背中に激痛が走り目の前が真っ暗になった。
記憶はそこで途切れている。
次に目が覚めたときは天国でも地獄でもなく、とても見慣れた渋谷の風景だった。
嗚呼失敗したんだな、と思った。生きている、と思った。
声のした方を振り返ると20代後半くらいだろうか、長身痩躯で白い短髪の青年が私の後ろに立っていた。口元に笑みを浮かべどことなく人間離れした雰囲気を持つ人だった。
思えばこれが私の人生の最期だったんだ。もう生きるのも疲れていた……なにも怖いものなんて無いんだから死ぬ前にみてやろうと思った。
「みて、みたい……」
そういうと青年はにやっと笑い近づいてきた。
手を伸ばしてきたから取ろうと思い、私も手を伸ばした……けれど直後ふわっと体が浮いたかとおもうと青年の姿が消え次の瞬間空が見えた。
憎みたくなるくらい真っ青な空だった……突き落とされたと認知するまでにえらく時間がかかった気がする。背中に激痛が走り目の前が真っ暗になった。
記憶はそこで途切れている。
次に目が覚めたときは天国でも地獄でもなく、とても見慣れた渋谷の風景だった。
嗚呼失敗したんだな、と思った。生きている、と思った。